【書評記事】 『愛する技術』エーリッヒフロム これからを生きる私たちの必読書

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こんにちは!Erimaです。

 

今回はエーリッヒフロム「愛するということ」の書評記事です。

この本は私が大学のゼミでこの前読了した本です。いろいろと思うところがあったので記録がてら記事にしようと思います。

 

 

 エーリッヒフロムって誰?

ja.wikipedia.org

フロムは裕福なユダヤの生まれです。幼年期にファシズムの動きを実際に目の当たりにしてきたフロムはの考え方の特徴は

 

 フロイト的な心理分析とマルクス主義的な社会観

 を独自に統合した点です。

 

フロムは人間の無意識がその人の人格形成に関係するように、

社会も人の欲望や動きや社会全体を形成すると考えました。

 

言われてみれば当たり前のことですよね。

 

フロムは、間近にファシズム的な動きを観察し、ヒトラーはある意味で被害者であるかもしれないということを自著「自由からの逃走」で述べています。

 

彼の思想は徹頭徹尾、人々の思想がどのように社会に変革をもたらすかを仔細に考察した人物なのです。

 

学べたこと①愛の種

フロムによれば愛には様々な種類があるといいます。

 

  • 父系愛
  • 母系愛
  • 異性愛
  • 兄弟愛
  • 自己愛
  • 神への愛

 

これらの愛を客観的に研究した上でフロムは、愛は与えるものであり、ただ受動的に受け取るものではないとしています。

 

人は終始孤独から抜け出すことを生存目標としていて、ときに私たちは仮初めの一体感によってその空白を埋めようとします。

 

それは古代であれば宗教的な儀式であり、現代においては音楽のコンサートやライブだったりするでしょう。

 

これら孤独の根本的な解決にはなり得ないとフロム言っています。そもそも他社依存型の同一感は、本当の意味で孤独から抜け出ることはできません。

 

なぜなら、この他社依存型の愛とは、受動的な愛だからです。

ではどうしたらいいのか?答えは簡単です。 能動的に愛せばいいのです。

 

学べたこと②能動的に愛せ!

では能動的に愛するためにはどうしたら良いのでしょうか。以下の4つの要素が必要になるとフロムは言っています。

  1. 配慮
  2. 責任
  3. 尊重

 

これらを正しく行使することが、能動的に愛することに繋がるのです。

学べたこと③愛するとは

これはわたしの解釈になるのですが、最終的に愛するとは『存在を承認する』

ことだと思います。

 

フロムの思想に触れていくと、私たちの世界は受動的な愛に満ち満ちているということに気付かされます。

 

女性向け雑誌のタイトルは「好きな人に好かれる方法」

私たちが理想ととしてあげる『いつか現れる運命の人』

愛とは、落ちるものであり感情である

 

これらの全てをフロムは未成熟な愛であるとぶった切っています笑笑

真の愛は信念に基づいた技術であり、磨くことができるというのです。

 

わたしは愛の感受性を磨くことが、学問を探求する意義であるとフロムの本を読んで感じました。

 

ただ一人の人しか愛せない、この人抜きでは生きていけないというような愛は不完全な愛なのです。本当の愛とは、その人を通じて世界をも愛する、そう言ったものなのです。

 

ただここで生じる疑問

愛に関して能動的に『承認』することが理想であることはわかりました。

ですが、わたしはここで重大な問いにぶち当たりました。

 

じゃあなんで一人の恋人を作る必要があるのか

という問いです(汗)

 

色々考えたのですが、今だにこれがわかりません。フロム的にいうなら、一人しか愛せない人より、多数を愛せる人の方が徳が高いというか正しく愛していることになるはずですよね?

 

でもこの考えは、世間の考えからはかなり逸脱しています。下手すれば、一人の人間も愛せない器の小さい移り気な人間という風にも解釈されかねないでしょう。

 

…まあ、そもそも好きだとか恋だとかという感情もよくわかりません。

愛することはわかったものの、社会通念との摩擦を感じて辛くなったので、

  • 好きって何問題
  • 恋人はなんのために必要なのか問題

はわたしの人生における大きな課題になりそうです。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました!