講演会 体験レポ!!無国籍ということの意味を考えてみた!

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こんにちは!Erimaです。先日たまたま講演を聞く機会があったのでメモ程度ですが共有できたらと思います。テーマは無国籍についてです!

 

講演してくださったのは陳天璽(ちん てんじ)という女性の方で、現在は文化人類学者として早稲田大学で教鞭をとっておられます。

詳しくはこちら👇

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/陳天璽/:embed

無国籍とアイデンティティ

 

国籍=アイデンティティ

話者である陳さんをはじめて拝見した印象は、若くてはきはきした綺麗な女性、でした。そして英語、日本語、中国語を流暢に話す姿はまさに才女といった印象を受けました。

 

しかし、彼女は本当は教授などではなく外交官になりたかったのだそうです。そのためにアメリカに渡り、面接まで残ったとおっしゃっていました。

 

結果は不合格。それというのも彼女が無国籍だったためです。

 

私たちはよく自分を表す時に自分のアイデンティティとして『出身地』をいうことがあります。さらに大抵の場合、国籍もその裏付けになると思っています。

 

では、彼女のように『台湾人の両親から生まれ、日本で育った』場合はどうなるのでしょうか。

 

現在陳さんは日本に帰化して日本国籍を取得していますが、それまで30年近く無国籍を貫いていたのだそうです。実はこのような人は日本に沢山います。戦争中に外国に渡った祖先を持つ日本人は日本人であるにもかかわらず、日本国籍取得ができません。

 

なぜなら、日本の国籍法では父系の血統を遵守するためです。母が日本人でも父が外国の方である場合、日本の国籍を得ることはできません。

 

さらに、重国籍についても日本は寛容ではありません。国際婚によって生まれたこどもは一時的に2つの国の国籍を得ることがあります。しかし、法律によれば、20歳までにどちらかに絞らなければならない決まりになっています。

 

これは新たに国籍を取得する人にとっても同様で、その場合日本国籍を放棄することをもとめられます。これは人によっては大きな違和感ですし、アイデンティティの問題になりかねない課題です。

 

国籍の決め方は国によって様々です。パスポートもこの国籍に従って発行されます。国籍が国にとっての個人を特定し、保護するアイデンティフィケーションとなっているのです。

 

しかしながら、ほんとうにこんな国籍という制度で全ての人を把握できるのでしょうか。また全ての人のアイデンティティ表現できるのでしょうか。

 

パスポートの役割

パスポートは別名、旅券とも呼ばれる正式な書類です。これによって私たちは出身国が表明され、旅行中も自国からの保護をうけることが可能になります。

 

では、無国籍の方はどうやって旅行するのでしょうか。実は無国籍者のための書類が存在します。しかし、これは国による保護を表明するものではありません。

 

代わりに在留カードや旅行証明書を発行してもらう必要があります。ですが、これがあればパスポートがわりになる、というわけではありません。

 

どこの国に行くにもビザを取得する必要があり、そのために沢山の手続きをこなさなくてはならないのです。

 

日本と中国と西洋

私が彼女の話で驚いたのは、日本に作られた中華街はもともと西欧諸国のためだったという点です。開国して間もない日本では、洋服を仕立てる・髪を切るといった点で西洋から大きく遅れを取っていました。

 

なぜなら日本人は着物を着ていて、髪は髷を結っていたためです。そのため、中国から優秀な職人を呼び、西欧人むけの対応を行なっていたのだそうです。

 

ですから、当時の中華街はいまのような観光客向けのレストランが立ち並ぶ姿ではなかったのです。

 

無国籍の人々

また両親や時代背景から仕方なく無国籍を選ぶ人のほかに、政治的なイデオロギーから無国籍を貫く人もいます。このアクショーノフさんもその1人でした👇

 

エフゲニー・アクショーノフさんのウィキペディア

 

私たちは普段何気なく、暮らしています。日本人の両親のもとに生まれ日本で育つ人々からすればなんでもないことでも、ここからはみ出てしまう人々がいることを知ることには大きな意味があると思います。

 

そもそも国籍という政府によるコントロール(一種の把握するための統制)はシステムとして正しく機能していないのではないかということ考え直すいい機会になりました。

 

国際化の波が押し寄せる今、自国だけが自国民だけが得をするような考え方はもう古いのかもしれません。

 

カズオイシグロ氏や大坂なおみ氏になんの違和感も抱かなくなるような社会が早く来て欲しいものです。