失われた愛はどこへ行った?全人類に見て欲しい夏の名作『サマーウォーズ』考察

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こんにちは、erimaです!夏だ!アニメだ!サマーウォーズだ!

というわけで今回はみんな大好きサマーウォーズ考察記事です。読んでください。

よろしくおねがいしまぁぁぁぁぁぁぁぁす!!!!!

金ローでサマウォが放送されると、日本の夏を感じるのは私だけでしょうか。今回はいくつかにポイントを絞って考察していきます。見たことがない人は、UNEXTかTUTAYAで見てくれると助かります。

ネタバレ注意!!

ポイント① 家族の在り方

今日においてこのアニメで取り扱われるような大家族は非常に稀です。実際に三世帯どころか二世帯で暮らしている人も少ないのではないでしょうか。

 

実際私の住んでいる場所は非常に田舎であるが、それでも祖母や祖父と家は別であるケースが多いです(個人的見解)これは私の考えなのですが、これによって日本は縦の年代間による多様性を失ってしまったのではないでしょうか。

 

たしかに今と昔を比べたときに、横のつまり他国に対する寛容さや多様性は生まれたかもしれません。しかしながら、無意識的に自分より上の年代を切り捨て、時代遅れのものだと認識することが、家族形態のあり方に表れているのではないでしょうか。

 

そのため、よく言われるジャネレーションギャップも発生しやすいのではないでしょうか。なぜなら、今日の方が声高にギャップの存在を主張している人が多いように思うためです。

 

昔の人は、過去の考えをギャップとは捉えず一種の理念や概念として尊重していたのではないだろうか。

 

でそのように培ってきた世代が減っていくことで、必然的に自分より上の年代を尊重することをしてこなかった世代が、若い世代に取って代わります。これによって何が起こるでしょうか。

 

尊重を欠いたまま尊重を求める年代が生まれてしまうのです。

当然、このような年代を年上にもつ人は、彼らを尊重することができません。負の連鎖です。これが今の日本に起こっているように思います。

 

その点においてサマーウォーズの栄おばあちゃんはその点、尊重することを知っていますし、実際尊重もされる重要なキャラクターです。

陣内家当主として家族や身内を励まし、つながりを形成するという凄まじい人徳あるいは能力を持っています。

 

ネットが蔓延する作中でも私たちの現実でも、人間同士のつながりや関係性は分断され希薄になりがちです。主人公の健二も数学オリンピック日本代表という択一した才能の持ち主ですが、その実陣内家の家族のようにみんなで食卓を囲むという経験を持たない少年でした。(両親が共働きのため。)

 

これは私の憶測ではありますが、どんなに凄い才能やたくさんのお金を持っていたとしても人間的な温もりを知らない人は、ずっと心の奥に足りなかった愛への渇望を秘めたままなのだと思います。

 

 

ポイント②ネットとの関わり方

またこの作品は2009年に公開された作品であるにもかかわらず、現代社会のネットの世界をリアルに描いています。特に自分のアバターを乗っ取られた健二の『ネットの中だからって、何してもいいわけじゃないんだぞ!』は名言として記憶している方も多いはずです。

 

また作中では、全てのシステムが『オズ』というネットによって成り立っています。世界一強固なセキュリティがあり、ショッピングも選挙も、交通標識さえもオズによって管理されていると知って、あまり笑えない気持ちなりました。

 

正直このシステムは、日本のマイナンバー制度そのものです。サマーウォーズを見た方はわかるように、世界一強固なセキュリティが破られたとき、それを取り戻すのもまた強固なセキュリティを通過しなければならなくなります。究極のジレンマですね笑笑

 

結局、万全のセキュリティなど存在しないのです。

便利さの追求は一定までの多幸感を生むでしょう。しかしながら、それらには際限がなくまた、なにかしらを犠牲にし、さらには新たな問題を生むかもしれないということを理解しておく必要があるでしょう。

 

テロを防ぐための監視システムには私たちのプライバシーが侵害される可能性があるし、決済の方式を現金でなくすことで情報の流失や乗っ取り被害が起こるかもしれないということなのです。

 

 

ポイント③ラブマシーンという怪物はなぜ生まれたか

ラブマシーンを発明したのは、名門大学出身アメリカ帰りの侘助です。侘助は栄の夫の隠し子で養子として陣内家にやってきた経緯があります。

 

当然本家のものからは悪く言われ、その立場ゆえに肩身の狭いをしたに違いありません。そんな中唯一、認めてくれたのが栄の存在だったのではないでしょうか。

 

そんな栄に対して一番恩義を感じ、それに応えようとしたはずです。そのために、アメリカに渡り、アメリカ政府に認められるほどのプログラミングを身につけました。

 

しかし、そうやって戻ってきた侘助に対し栄は薙刀で応答しました。これに対して

侘助は自分のことを拒否されてしまった=愛を受けられなかったもしくは自分の愛に答えてもらえなかったと絶望してしまいます。

 

その過程で生まれたのがAIハッカー『ラブマシーン』なのでした。ラブマシーンは、他のアバターを吸収し、無限に強くなっていきます。それはかつて得ることのできなかった愛を歪んだ承認欲求を通して得ようとしているようにも見受けられました。

 

またモチーフとなったのは仏の中の仏、キングオブ仏である大日如来であります。日本においては主神たる天照大神と同一視されるほどの高位の仏であるため、侘助が求めたのはまさに神からの慈悲のような愛だったのかなぁとも解釈できる…かもしれません。

 

ちなみに侘助にはモデルとなった実在の人物がいるそうです。伊丹十三さんというらしいです。(調査不足であまり書けませんでした…あとから追記するかもです)

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/伊丹十三/:embed

 

まとめ

ネット社会の秀逸した風刺、そして人と人との繋がりや愛にまで踏み込んだサマーウォーズは時代を経ても名作だと感じました。何回見てもカズマくんは可愛いし理一さんはイケメンだし。

 

またそれだけではなく、ネットにまみれた社会の惰弱性や分断された絆をどう修復し、立ち向かっていくべきなのか考えさせられるいい作品でもありました。

 

あと個人的には、人工衛星あらたかを原発に落とすかもしれないみたいな展開のシーンが本当に怖すぎたので、日本は早く原発止めるべきだと思いました(小並感)

 

ほんとに事故云々の前にテロリストにそこ狙われたら主犯はローリスクハイダメージでクリティカルヒットできちゃうので。そういう意味でもいろんな世代に見てもらいたいなあと思います。

 

こちらでも考察してます!👇

https://erimadeculture.hatenablog.com/entry/2019/06/19/161845/

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