輪るピングドラム 大考察【超個人的生存戦略】パート1

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 「僕は運命って言葉が嫌いだ。

 

生まれ、出会い、別れ、成功と失敗、人生の幸不幸。それがあらかじめ決められているのなら僕たちはなんのために生まれてくるんだろう。裕福な家庭に生まれる人、美しい母親から生まれる人、飢餓や戦争の真っただ中に生まれる人、それらがすべて運命だとすれば、神様ってやつはとんでもなく理不尽で残酷だ。あのときから僕たちは未来なんてなく、ただきっと何者にもなれないってことだけがはっきりしてたんだから」

 

こんにちは、erimaです。今回はイクニ作品の一つ輪るピングドラムの考察です。

 

 ではいってみましょう!!(ここから先ネタバレを含みます!!)

 

一話 「運命のベルが鳴る」

「神様なんていないんだろ」

妹の陽毬の病は治らないと医者から勧告されたときの冠葉のセリフです。はじめの晶馬超絶長ゼリフにもあるように、彼、そして晶馬は妹の病を通じて『運命』『神』というものに疑問を抱いています。

 

リンゴは愛による死を自ら選択したものへのご褒美

こちらは、高倉家の近所を歩く少年たちの意味深な会話の一部です笑笑

彼らは宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を例えに出しながら『死は終わりではない』と言っていました。

 

むしろ罪に対するご褒美なんだ。また『りんご』は宇宙そのものとも言っていましたね。あの世とこの世をつなぐりんご。禁断の果実りんご。

 

ていうかこんな小学生が近所にいたらなんか嫌ですね笑笑

 

生存戦略 運命のいたるところからきた

「イマージン!!」

この物語最大の謎である、地球外生命体(by 晶馬)の台詞です。

こちらも何が何だかわかりませんね(汗)ただここから推測されるのは、『彼女は運命を知っていた可能性がある』ということでしょうか。

 

運命のいたるところ=未来とも解釈できます。また彼女が連れてきたペンギンズも意味深です。間違いなく運命に関係する人々に関連していることは確かでしょう。

 

「きっと何物にもなれないお前たちに告げる」

一つだけ確かに言えるのは、このことを晶馬たち自身は自覚していたかもしれないということです。これは何かの罰なのでしょう。

 

透明で何者でもないということは、歴史に名前が残らないということです。もしくは、運命や人々のつながりの輪から外れてしまったということかもしれません。非常にイクニチックです。

 

命の代償 いただく  心臓とられる

謎なのが、彼女によって晶馬の胸から何かが奪い取られる描写があることです。

 

また、妹の延命は神様によるただの幸運ではなかったことが推察できます。(晶馬の心の声から)地球外生命体は、晶馬たちに『妹を生かしたくば、ピングドラムを手に入れるのだ』と命令(いわば脅しに近い)してきます。

 

こちらは最後の冠葉の台詞です。

人は何のために生まれるのか。あくせく毎日を過ごすためだけに人が作られたのだとしたら、それは何かの罰なのか。それとも皮肉なジョークなのか。そんなんじゃ、遺伝子にプログラムされた生存戦略に忠実な動物のほうがよっぽどシンプルで美しい。

 

もしこの世界に神さまと呼ばれるものがあるのなら、一つだけ聞きたい。人の世界に運命はほんとにあるのか。もし人が運命を無視して、遺伝子の命令を無視して、誰かを愛したとしたらそいつは本当に人なのか。俺は運命って言葉が嫌いだ。」

 

2話 危険な生存戦略

運命懐疑派の高倉兄弟に対して、こちらは運命信望主義とでもいうのでしょうか。荻野目苹果(りんご)の台詞がこちらです👇

 

あたしは運命って言葉がすき。だって運命の出会いって言うでしょ。たった一つの出会いがその後の人生をすっかり変えてしまう。そんな特別な出会いは偶然じゃない。それはきっと運命。もちろん人生には幸せな出会いばかりじゃない。いやなこと、悲しいことだってたくさんある。自分ではどうしようもないそういう不幸を運命だって受け入れるのはとてもつらいこと。でもあたしはこう思う。悲しいこと、つらいことにもきっと意味があるんだって。無駄なことなんて一つもない。だってあたしは運命を信じているから。

 

「きっと何物にもなれないお前たちにつげる」

地球外生命体から脅されて、ピングドラム探しをすることになった高倉兄弟でした。彼女によると、ピングドラムは荻野目苹果のところにあると言いました。

 

けれどその過程で彼らは、彼女が多蕗先生(自分たちの高校教諭)のストーカーであることを知ってしまったのでした。

 

 

3話 そして華麗に私を食べて

大切な人と食べるカレーは特別な味がする

荻野目一家には月に一度カレーを食べる特別の日があります。その日は共働きの父母と一緒にカレーを食べる苹果にとっては大切な家族の日でした。

 

ストーカー相手の多蕗にもカレーを食べてもらおうと計画します。カレーは苹果にとってつながりの象徴であり、幸せのモチーフだからです。

 

4話 舞い落ちる姫君

多蕗先生にバードウォッチングに誘われた苹果に、晶馬はついていくことに決めました。しかし、前途は多難。そこには多蕗の旧友で舞台女優の時籠ゆりがいたのでした。

 

また、苹果は謎の日記に基づいて行動していることもわかってきました。

これはどうやら彼女が生まれた日に死んだ姉、荻野目桃果のものらしいのです。

また一方で同じように苹果に接触をはかる謎の女生徒、夏芽真砂子(すり潰さないと、の人です)が現れました。

 

5話 だから僕はそれをするのさ

5話は、高倉家の回想シーンから始まります。それは晶馬が熱を出してしまったときの記憶でした。また冠葉はどこからかお金を工面してくる描写がありました。思い出の父の背中には『KIGA』の文字がありました。

 

また荻野目一家の分裂がはっきりしてしまう悲しい回でもあります。離婚した父と会食をするシーンは見ていて悲しくなります。

 

父と母は離婚してしまっているのに、苹果は頑なに家族3人の絆、つながりを信じ続けているのです。しかし、父には新しい再婚相手もおり、苹果との絆の証であったお揃いのストラップは父の元にはありませんでした。

 

 

 

 

6話 Mでつながる私とあなた

  • 苹果にとって自分が姉、桃果になる
  • =壊れてしまったつながりが戻る
  • 家族がもとに戻る

 

元恋人が記憶喪失になっているのを不審に思った冠葉は、ほかの女性たちにも忠告しに行きました。しかし、そこで見たのは同じように記憶喪失になった彼女らと、それに使われた弾にはペンギンのマークが描かれていたのでした。(ちなみに冠葉の父の背中にも同じマークがあった)

 

苹果の回想には、父母多蕗を桃果がつないでいて、自分が桃果にならない限りつながりは戻らないと思いつめてしまうシーンがありました。そしてついに苹果は計画を実行に移すのでした。

 

 

7話 タマホマレする女

多蕗にさそわれて舞台を見に行った苹果でしたが、なんとその舞台は恋敵である時籠のものでした。

 

しかもなんと、時籠と多蕗が婚約したことを聞いてしまうのでした。これを知ってしまった苹果はついに禁断の手段、惚れ薬の作成に踏み切ります。

 

8話 君の恋が嘘でも僕は

多蕗が時籠と同棲することを知って苹果はショックを受けてしまいます。しかし、彼女はあきらめる様子がありません。

 

しかも偶然いった思い出の水族館で、父親が再婚相手とそのこどもと一緒にいるところを目撃してしまいます。

 

そしてついに強行的に「プロジェクトM」を遂行しようとして失敗します。しかもそのあと日記はバイクの女によって真っ二つに、昌馬は苹果をかばって車にひかれてしまったのです。

 

ここまでのまとめ

  •  冠葉はどうやら父親と同じ組織からお金を得ている
  • 運命の日記は本当なのか
  • 「プロジェクトM」という計画
  • 日記を欲しているのは高倉兄弟だけではない

こんなところでしょうか。今回はじっくり考察したいので全24話を8話ずつ区切って紹介していくつもりです。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました!

 

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